ディバン(その他表記)divan

翻訳|divan

精選版 日本国語大辞典 「ディバン」の意味・読み・例文・類語

ディバン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語フランス語] divan ) 壁に沿って置く背もたれなしでクッション付きの長椅子
    1. [初出の実例]「モロッコ皮のディワンに膝と膝を触れ合さんばかり寄り添って腰をかけて」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ディバン」の意味・わかりやすい解説

ディバン
divan

長椅子の一種。クッションはついているが,背もたれや肘掛けのついていない最も単純な形式のもの。一般に幅は狭い。ペルシア起源のもので,ディバンとは元来オスマン帝国の高官応接室さし,転じてこれらの室の壁ぎわにあったマットレスやクッションをいう。フランスでは 18世紀なかば頃に現れ,19世紀のロマン主義時代に異国趣味の高まりとともに流行。当時のカフェは多くこの長椅子を備えたため,ときにカフェの別名としても用いられた。

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世界大百科事典(旧版)内のディバンの言及

【カウチ】より

…18世紀に入って,ルイ15世時代には曲線形体のヘッドボードとフットボードを備えたロココ様式のものが流行,ルイ16世様式から19世紀のアンピール様式のものは,厳格な古典様式から古代ギリシアの単純な形式のものまで多彩な形式を示した。一方,17世紀後期には,トルコやペルシアの宮廷における会議(ディーワーン)で使われていた厚いクッションを長いすに取り入れて,背もたれとシートを詰物と布地で張り包みにしたディバンdivanが考案された。18世紀にはスツールと二つのベルジェール(安楽いす)を組み合わせた簡便なデュシェス・ブリゼduchesse briséeが貴婦人たちに愛用された。…

※「ディバン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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