デロスアンヘレス(英語表記)Victoria de Los Angeles

改訂新版 世界大百科事典 「デロスアンヘレス」の意味・わかりやすい解説

デ・ロス・アンヘレス
Victoria de Los Angeles
生没年:1923-2005

スペインのソプラノ歌手。バルセロナ音楽院に学ぶ。1947年ジュネーブ国際コンクール第1位。この頃から50年代にかけて《ラ・ボエーム》(マドリードロンドン),《ファウスト》(パリ),《ナクソス島アリアドネ》(ミラノ)等の主役を歌って国際的なオペラ歌手として活躍し,61年にはバイロイト音楽祭で《タンホイザー》に出演した。しかし60年代半ばからオペラよりもむしろ歌曲の演奏に身を入れるようになる。気品のある透明な声の持主で,スペインの近代歌曲やドビュッシー,ラベルらフランスの作品に名演奏を残している。1965年初来日。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デロスアンヘレス」の意味・わかりやすい解説

デ・ロス・アンヘレス
De Los Ángeles, Victoria

[生]1923.11.1. バルセロナ
[没]2005.1.15. バルセロナ
スペインのソプラノ歌手。本名 Victoria Gómez Cima。バルセロナ音楽院で学び,1945年バルセロナのリセオ大劇場での『フィガロの結婚』の伯爵夫人役でオペラ界にデビュー。1947年ジュネーブ国際コンクールで 1位に入賞した。その後,1949年にパリ・オペラ座,1950年にザルツブルク祝祭劇場,コベントガーデン劇場,ミラノ・スカラ座とヨーロッパの主要な歌劇場にデビュー,1951年にはメトロポリタン歌劇場にも登場し,世界の檜舞台で活躍した。1961年バイロイト音楽祭に初出演して『タンホイザー』のエリーザベトをうたったが,1960年代にはリサイタル軸足を移した。『カルメン』『蝶々夫人』のタイトル・ロール,『ラ・ボエーム』のミミは特に高く評価された。一方,みずからギターを弾きフラメンコをうたうなどスペインの伝統音楽も大切にした。同時代のソプラノ歌手として最も有名な歌手の一人だった。

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