ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デ・ロス・アンヘレス」の意味・わかりやすい解説
デ・ロス・アンヘレス
De Los Ángeles, Victoria
[没]2005.1.15. バルセロナ
スペインのソプラノ歌手。本名 Victoria Gómez Cima。バルセロナ音楽院で学び,1945年バルセロナのリセオ大劇場での『フィガロの結婚』の伯爵夫人役でオペラ界にデビュー。1947年ジュネーブ国際コンクールで 1位に入賞した。その後,1949年にパリ・オペラ座,1950年にザルツブルク祝祭劇場,コベントガーデン劇場,ミラノ・スカラ座とヨーロッパの主要な歌劇場にデビュー,1951年にはメトロポリタン歌劇場にも登場し,世界の檜舞台で活躍した。1961年バイロイト音楽祭に初出演して『タンホイザー』のエリーザベトをうたったが,1960年代にはリサイタルに軸足を移した。『カルメン』『蝶々夫人』のタイトル・ロール,『ラ・ボエーム』のミミは特に高く評価された。一方,みずからギターを弾き,フラメンコをうたうなどスペインの伝統音楽も大切にした。同時代のソプラノ歌手として最も有名な歌手の一人だった。
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