日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナクソス島」の意味・わかりやすい解説
ナクソス島
なくそすとう
Náxos
ギリシア南東部、エーゲ海南部のキクラデス諸島中最大の島。面積428平方キロメートル、人口1万7646(2001)。東半分は険しい山地で大理石を産する。最高峰ジアZiá(別称ドリオスDríos)山は標高1002メートル。西側に沃野(よくや)が開け、柑橘(かんきつ)類、オリーブ、良質のワインなどの産地で、畜産も盛んである。中心市は北西岸のナクソス。ミケーネ時代末期にギリシア人の集落が形成され、紀元前11世紀にイオニア人に占拠され、前735年ごろシチリア島の植民市ナクソス建設に参加し、前6世紀後半に僭主(せんしゅ)リグダミスのもとで繁栄した。前490年ペルシア軍に破壊され、デロス同盟に加盟し、前470年ごろ加盟国中最初に離反して失敗し、前4世紀には第二次アッティカ海上同盟に加わった。中世には、第4回十字軍(1202~04)を機にベネチア人のエーゲ海支配の拠点として栄えたが、1566年オスマン帝国の支配下に入った。1832年よりギリシア領。
[清永昭次・真下とも子]