改訂新版 世界大百科事典 「データ端末装置」の意味・わかりやすい解説
データ端末装置 (データたんまつそうち)
data terminal
コンピューターとのデータの入出力を,通信回線を介して遠隔から行うための装置。データ端末装置は各種の入出力部と,コンピューター本体との間の通信を制御する端末制御部から構成される。代表的なものとして汎用(はんよう)端末装置ではタイプライター端末,ディスプレー端末,リモートバッチ端末などがあり,専用端末装置では銀行用端末,POS(point of saleの略)端末,工業用端末などがある。通信回線1回線に対し1組の入出力装置をもつ端末をスタンドアロン型,複数組の入出力をもつ端末をクラスター型という。端末制御部は,通信回線の接続・切断,データ通信の開始・終了の制御,通信回線上で生ずるデータ誤りを検出・訂正する制御およびデータの入出力に関する制御を行う。とくに本体コンピューターと独立してデータ処理を行うことができる端末をインテリジェント端末と呼ぶ。初期のデータ端末装置は紙テープ,紙カードなどの媒体のデータをバッチ的に送信し,受信データをプリンターに出力するリモートバッチ端末が主体であったが,コンピューターシステムの発展により,人間とコンピューターの会話的処理が普及するのに伴いディスプレー端末などの会話処理端末が多く用いられるようになってきている。さらにファクシミリ装置や電話器が直接コンピューターに接続され,データ端末装置として使用されることも多い。
執筆者:林 英治
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報