日本大百科全書(ニッポニカ) 「トウツルモドキ」の意味・わかりやすい解説
トウツルモドキ
とうつるもどき / 籐蔓擬
[学] Flagellaria indica L.
トウツルモドキ科(APG分類:トウツルモドキ科)の藤本(とうほん)(つる植物)。幹は細長く伸びて、約15メートル。葉は狭披針(ひしん)形で長さ10~20センチメートル、先は線形に伸びて巻きひげ状となり、他物に絡まる。枝先に円錐(えんすい)花序をつくり、小さな黄白色花を多数開く。花被片(かひへん)は6枚、3枚ずつ内外2輪に並ぶ。雄しべは6本。雌しべは1本で、花柱は3裂する。果実は球形で径4ミリメートル、熟すと黄紅色になる。湿気の多い水辺に生え、小笠原(おがさわら)、沖縄、およびアジア、アフリカの熱帯に広く分布する。名は、茎の形がヤシ科のトウに似るのでいう。
トウツルモドキ科Flagellariaceaeは約3属10種知られ、すべて熱帯に分布する。
[山崎 敬 2019年9月17日]
APG分類でもトウツルモドキ科であり、それによればトウツルモドキ属1属からなり、5種あるとされる。
[編集部 2019年9月17日]