トカチ金田・神威金山(読み)とかちきんでん・かむいきんざん

日本歴史地名大系 「トカチ金田・神威金山」の解説

トカチ金田・神威金山
とかちきんでん・かむいきんざん

歴舟れきふね川流域にある前近代以来の金の産出地。同川の河口付近の砂礫上流部の河川の中からユリ板で砂金の粒を選別・採取する。川から採取するのを金田といい、上流部の金鉱石の露頭を金山と称した。「松前旧事記」には「戸賀知、運別」で金の採取が行われたとあり、「戸賀知」は歴舟川の河口、現浜大樹はまたいきの集落があるアイホシマ(アイブシマ、相保島)に比定している。シャクシャインの戦ではトカチを含む東蝦夷地で金掘の者・鷹師が一〇〇人余り殺害されており(津軽一統志)、以降砂金産出はなくなったといわれるが、以後も採取が続けられていたとみられ、「北海随筆」には「此辺トカチと云処は砂金有りて以前も取たる事あるなれば金山あるべし」とみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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