日本大百科全書(ニッポニカ) 「トフストノーゴフ」の意味・わかりやすい解説
トフストノーゴフ
とふすとのーごふ
Георгий Александрович Товстоногов/Georgiy Aleksandrovich Tovstonogov
(1913―1989)
ソ連の演出家。母親がジョージア(グルジア)人で、ジョージアのトビリシに生まれる。1931年からロシア青少年劇場の俳優兼演出助手になり、1938年モスクワの国立演劇大学を卒業。各地の中小劇団で働くうちに演出家として頭角を現し、1956年にレニングラードのボリショイ・ドラマ劇場(略称БДТ/BDT)主任演出家となる。ビシネフスキーの『楽天的悲劇』の演出(1955)で、1958年演出家として初めてレーニン賞を受賞。スタニスラフスキーの遺産を継承しながら、現代性を強調する大胆で多彩な演出で注目され、多くの優れた俳優を育てた。1983年(昭和58)と1988年に劇団を率いて来日した。
[中本信幸]
『トフストノーゴフ著、牧原純・中本信幸訳『演出家の仕事』全2巻(1983・理論社)』