最新 地学事典 「トリプル石」の解説
トリプルせき
トリプル石
triplite
化学組成(Mn,Fe2+)2(PO4)Fの鉱物。単斜晶系,空間群I2/a, 格子定数a1.206nm, b0.645, c0.994, β107.1°,単位格子中8分子含む。結晶は不明瞭で通常塊状。劈開{001}良好,{010}明瞭,{100}不明瞭,断口不規則~亜貝殻状,硬度5~5.5, 比重3.5~3.9, 変質したものでは劈開は区別しがたく硬度・比重ともに変化することが多い。ガラス~脂肪光沢,褐または黒褐色,マンガン量が増加すると帯赤色,条痕白~褐色。半透明~不透明。屈折率α1.643, β1.647, γ1.668, 二軸性正,2V大,光分散r>v。Fは少量のOH,(Mn,Fe)は少量のMg,Caで置換される。リン酸塩鉱物に富むペグマタイト中に産出。名称はギリシア語のtriploos(三方)にちなみ,3方向に劈開を有することを示す。
執筆者:坂巻 幸雄
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

