藍閃石(読み)ランセンセキ(その他表記)glaucophane

最新 地学事典 「藍閃石」の解説

らんせんせき
藍閃石

glaucophane

アルカリ角閃石のなかで,らん閃石-リーベック閃石系列に属するものの総称広義と,この系列に属する限られた組成のものを指す狭義の意味の二つがある。広義のらん閃石は狭義のそれNa2Mg3Al2Si8 O22OH2から,Mg⇌Fe2およびAl⇌ Fe3の2種の置換によって導かれる組成をもつ。その結果,広義のらん閃石には,狭義のらん閃石のほかに(鉄らん閃石),マグネシオリーベック閃石),(リーベック閃石)およびこれらの中間のクロス閃石区別される。ふつうには,らん閃石からクロス閃石をへてリーベック閃石に至るものが見いだされ,マグネシオリーベック閃石はややまれ,鉄に富む鉄らん閃石は産出しない。狭義のらん閃石は,単斜晶系,空間群C2/m,格子定数a0.9531nm,b1.7759,c0.5303,β103.59°,単位格子中2分子含む,ガラス〜絹糸光沢,灰〜青紫色,条痕青灰色,硬度5〜6,比重3.02,劈開{110}完全。屈折率α1.60~1.62, γ1.61~1.63, 光学性負,2Vx≅40°, 光軸面//(010),c∧Z小,多色性X無色,Y青,Z青。リーベック閃石とマグネシオリーベック閃石はアルカリ火山岩にも変成岩にも出現するが,狭義のらん閃石とクロス閃石は,変成岩中に産し,しばしばローソン石,パンペリー石,ひすい輝石などと伴う。ギリシア語の青く(glaukos),見える(phaines)に由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藍閃石」の意味・わかりやすい解説

藍閃石
らんせんせき
glaucophane

やや紫みがかった青色の細い柱状ないし針状の結晶をなすアルカリ角閃(かくせん)石の一種。低温・高圧条件でできた広域変成岩中に、ひすい、ローソン石などと産する。同じような産状と外観をもつ鉄藍閃石、マグネシオリーベック閃石、リーベック閃石とは微妙な色の違いはあるものの、厳密な区別は化学分析によらざるをえない。日本では、四国、紀伊半島、関東山地の三波川(さんばがわ)変成帯の高圧部、北海道の神居古潭(かむいこたん)変成帯の高圧部など産地は多い。青みを帯びた石綿状の角閃石があるが、これはリーベック閃石のことが多い。英名は青くみえるという意味のギリシア語に由来する。

[松原 聰]


藍閃石(データノート)
らんせんせきでーたのーと

藍閃石
 英名     glaucophane
 化学式    Na2(Mg,Fe2+)3Al2Si8O22(OH)2
         (Mg>Fe2+)
 少量成分   Fe3+
 結晶系    単斜
 硬度     5.5
 比重     3.0~3.2
 色      青,藍青
 光沢     ガラス
 条痕     淡青灰
 劈開     二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)
 その他
  鉄藍閃石  ferroglaucophane
        Fe2+>Mg
  マグネシオリーベック閃石
        magnesioriebeckite
        Mg>Fe2+,Fe3+>Al
  リーベック閃石
        riebeckite
        Fe2+>Mg,Fe3+>Al

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藍閃石」の意味・わかりやすい解説

藍閃石
らんせんせき
glaucophane

アルカリ角閃石類で,狭義には Na2Mg3Al2Si8O22(OH)2 。単斜晶系。広義には藍閃石-曹閃石系列に属するもので狭義の藍閃石からマグネシウム ⇔ 鉄(II),アルミニウム ⇔ 鉄(III)の置換によって生じる系列鉱物の総称。狭義の藍閃石と青閃石は,藍閃石片岩相の変成岩にのみ出現し,しばしばローソン石,パンペリ石,翡翠輝石などを伴う。狭義の藍閃石には,I (低圧型) および II (高圧型) の多形が知られているが,天然に産するものはすべてIの藍閃石である。

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