トロナ(その他表記)trona

最新 地学事典 「トロナ」の解説

トロナ

trona

化学組成Na3H(CO32・2H2Oの鉱物。化学組成から重炭酸ソーダ石とも。単斜晶系,空間群I2/a, 格子定数a2.0106nm, b0.3492, c1.0303, β103.05°, 単位格子中4分子含む。板状結晶,ふつう微細な繊維状・板柱状結晶の集合。無~灰白~黄白~帯褐色,透明~半透明,ガラス光沢。水に可溶。劈開{100}完全,{111}明瞭,{001}不明瞭硬度2.5~3,比重2.11。薄片では無色,屈折率α1.412~1.418, β1.492, γ1.540~1.543, 2V(-)76°。光分散vr強。塩湖の沈殿物として棚砂(borax),芒硝(thenardite),石灰芒硝(glauberite)などに伴って産する。また乾燥した地域の土壌吹出物としてふつうに産する。高湿度では,この鉱物の産出は期待できない。名称は自然塩のアラビア名に由来。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トロナ」の意味・わかりやすい解説

トロナ
trona

天然ソーダの一つ。重曹石,重炭酸ソーダ石ともいう。 Na3H(CO3)2・2H2O 。単斜晶系。比重 2.11~2.14,硬度 2.5~3。古代エジプトにおいて用いられた最古のソーダである。エジプトのほか,ハンガリー,アフリカ,アメリカ (ネバダ州) に多く産する。白ないし灰色または黄色でガラス光沢のある結晶。柱状,塊状あるいは繊維状で産する。塩湖畔の泥中に産し,また岩石上の皮殻あるいは塊状層として産出する。石鹸,ガラスなどソーダ工業の重要な天然原料。トロナはスウェーデン語で天然炭酸ソーダ (Natron) の意味。

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世界大百科事典(旧版)内のトロナの言及

【天然ソーダ】より

…ケニア,アメリカの天然ソーダのみは工業的に利用されている。鉱床はトロナtronaと称し,成分はNa2CO3・NaHCO3・2H2O(セスキ炭酸ナトリウム)である。採掘,焙焼,水溶解,再結晶などの精製工程を施して,炭酸ナトリウムを製造する。…

※「トロナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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