ドイツ条約(読み)ドイツじょうやく(その他表記)Deutschland Vertrag

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ条約」の意味・わかりやすい解説

ドイツ条約
ドイツじょうやく
Deutschland Vertrag

1952年5月 26日ボンでアメリカ,イギリス,フランス3国と西ドイツの間で調印された占領の終了と西ドイツの主権回復を認めた条約ボン協定ともいわれるが,正しくは「ドイツ連邦共和国と3連合国との間の関係に関する条約」。前文と 11条から成り,(1) 西ドイツの主権の回復,(2) 3連合国の西ドイツ駐留権およびベルリンに関する3連合国の権利の留保,(3) 西ドイツの国交未調整国との交渉について3連合国は西ドイツと協議する義務,(4) ドイツの再統一と全ドイツとの講和,などが取決められており,付属協定に3連合国の軍隊の駐留と防衛費分担が明確にされていた。この条約はもともと西ドイツの参加が予定されているヨーロッパ防衛共同体 EDC条約 (1952.5.27.調印) との関係で成立したものであるが,EDC条約が 54年8月 30日フランス国民議会で批准を拒否されたため未発効に終った。この EDC条約に代る構想としてつくられたのが西ドイツをブリュッセル条約北大西洋条約に加盟させ,再建された西ドイツ国防軍を加える案で,同年 10月3日ロンドン協定で確認され,10月 20~23日に締結されたパリ協定によって承認された。

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