ドイツの首都ベルリン(Berlin)の大通り、ウンターデンリンデン(Unter den Linden)の近くにある、同国連邦議会の議事堂。屋上にドームが設置され、ドームの中には通路が設けられて、見学者がベルリン市街を眺めたり、議場の中がのぞけたりするようになっている。この議事堂はドイツ帝国の国会議事堂として1888年に着工し、1894年に完成した。以来、ドイツ帝国、ワイマール共和国時代に下院が置かれていたが、1933年に不審火により被害を受けた。しかし、修復が行われず、ナチス政権下ではクロールオペラ劇場が国会議事堂として用いられた。この建物は第二次世界大戦中の1943年に、連合軍(米英軍)のベルリン大空襲と1945年のベルリン攻防戦で大きな被害を受けた。戦後、この建物は旧西ドイツ領の西ベルリンに属していたが、ボンに首都が移ったため、やはり議事堂としては使われなかった。大規模な修復ののち国会議事堂として復活したのは、ドイツ統一からしばらくたった1999年のことである。◇正式名称は「ドイツ連邦議会が置かれた国会議事堂」(Reichstagsgebäude am Sitz des Deutschen Bundestags)で、「連邦議会議事堂」は通称。ただし、ドイツでは、今日でも「連邦議会議事堂」(Bundestagsgebäude)ではなく、ドイツ帝国時代以来の名称の「国会議事堂」(Reichstagsgebäude)と呼ばれている。