改訂新版 世界大百科事典 「ドゥーデン」の意味・わかりやすい解説
ドゥーデン
Duden
1826年マイヤーJoseph Meyer(1796-1856)が当初ゴータに設立した事典・辞典類を専門とするドイツの出版社〈ビブリオグラフィッシェス・インスティトゥート〉(1984年にF.A. ブロックハウス社と合併し,ビブリオグラフィッシェス・インスティトゥート& F.A. ブロックハウス社と改称)からの刊行物に冠される商標。ドゥーデンの名を冠したものは百科事典や最近の6巻本ドイツ語辞典などいろいろあるが,なかでもドゥーデンKonrad Duden(1829-1911)著《ドイツ語正書法辞典》(1880)の改訂版で商標第1号の《ドゥーデン正書法辞典》(1915)が有名。これは正書法の確立していなかったドイツ語に綴り方の基準を示した画期的な辞典で,西ドイツでは1955年以来印刷物はすべてこれに従うように定められている。またこれに文法,発音等9種の辞典を加えた全10巻のドイツ語辞典シリーズも,今日のドイツ語に規範的な影響力を持っている。なお同社のもうひとつの商標マイヤーと同じく,社名代りに使われることもある。
→マイヤー百科事典
執筆者:井上 修一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報