ドイツの代表的百科事典の一つ。ゴータで出版業を営んでいたマイヤーJoseph Meyer(1796-1856)は1826年ビブリオグラフィッシェス・インスティトゥートBibliographisches Institutを設立,2年後ヒルトブルクハウゼンに移り,40年から52年にかけて《会話大辞典》(全46巻)を刊行,続いて6巻の補遺を出した(1853-55)。これによって百科事典出版の基礎が固まり,57-60年に《新会話辞典》の題名で新たに15巻の百科事典を出版した。引き続き61-67年に第2版を出し,第3版(15巻,1874-78)は《マイヤー会話辞典Meyers Konversations-Lexikon》と題を改め,以後の版はすべて書名に〈マイヤー〉を冠するようになった。74年本拠をライプチヒに移した。第8版《Meyers Lexikon》(9巻,地図1冊,1936-42)はナチズムの立場で編纂されたが,未完に終わった。1946年会社の資産は没収され,東ドイツの国営企業書誌学研究所に改組された。この出版所からは《マイヤー新事典Meyers Neues Lexikon》の題で初版(8巻,1961-64)と第2版(18巻,1971-78)が刊行された。一方,旧株主たちは1956年マンハイムに本拠を移し事業を再開した。ここで第9版《マイヤー百科事典Meyers Enzyklopädisches Lexikon》(25巻,補遺6巻,1971-79,1974年から年鑑発行)が発行された。続いて刊行した《マイヤー総合大事典Meyers grosses Universal Lexikon》(15巻,補遺4巻,地図1巻,1981-86)は,小項目中心だが重要事項にはかなりのスペースをとり,参考文献もあげている。ほかに,かつて東ドイツで刊行されたものと同じ書名の《マイヤー新事典》(10巻,1994)などがある。出版事業を国民の文化水準向上の重要な手段と考え,最も充実した内容を低廉な価格で民衆に提供するというマイヤーの理想がこれらの百科事典にもよくあらわれている。なお出版元は,84年にブロックハウス社(《ブロックハウス百科事典》)と合併し,ビブリオグラフィッシェス・インスティトゥート&F.A.ブロックハウスAGとなった。
執筆者:大橋 渉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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