山川 世界史小辞典 改訂新版 の解説
ドレッド・スコット事件判決(ドレッド・スコットじけんはんけつ)
Dred Scott decision
1820年の連邦法(通称ミズーリ協定)を違憲としたために,合衆国の南北両地域の対立を激化させることになった57年のアメリカ最高裁の判決。ミズーリ州の黒人奴隷ドレッド・スコットが主人に伴われて自由州のイリノイとウィスコンシン準州に居住したことを理由に,自分は自由身分を獲得したと主張したのに対して,最高裁は黒人の連邦法廷への提訴権を否定し,さらにまた準州の奴隷制を禁止する連邦議会の権限を否定して,ミズーリ協定の無効を宣言した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報