日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナガコガネグモ」の意味・わかりやすい解説
ナガコガネグモ
ながこがねぐも / 長黄金蜘蛛
[学] Argiope bruennichii
節足動物門クモ形綱真正クモ目コガネグモ科に属するクモ。夏の終わりに成熟し、水田の畔(あぜ)などに多くみられる。体長20~25ミリメートル、腹部はやや長く、細い黄と黒の多数の横縞(よこじま)がある。網は垂直円網で、中央にジグザグの「隠れ帯(かくれおび)」をつける。成長とともに隠れ帯の形は変わる。つまり、初めは数本並列しているが、成熟すると長い1本になる。9月初めに壺(つぼ)形の卵嚢(らんのう)をつくる。ファーブルは『昆虫記』で、このクモの産卵状況を詳しく書いているが、記事に誤りのあることがフランスや日本の学者に指摘された。
コガネグモをジョロという地方では、ナガコガネグモをタジョロとよんで区別する。本州、四国、九州、南西諸島に分布するが、ヨーロッパでも普通にみられるクモである。
[八木沼健夫]