ナバラ自治州(読み)ナバラ(その他表記)Navarra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナバラ自治州」の意味・わかりやすい解説

ナバラ〔自治州〕
ナバラ
Navarra

スペイン北部の自治州。 1982年自治州となった。ナバラ県1県から成る。県都パンプロナ。ピレネー山脈西部からエブロ川北東岸までの地域を占め,フランスと国境を接する。かつてのナバラ王国の一部。北部の山地と,中部の丘陵・盆地地帯は湿潤で,林業牧畜が行われる。中央盆地は鉄鉱石を産し,小規模な金属工業もみられる。南部は高原地帯で乾燥している。スペイン,フランスの国境地帯にあるため,複雑な歴史をたどった。 778年フランク王国のカルル大帝の軍がサラゴサからの帰途,ピレネー山脈の谷間ロンセスバリェスでバスク人に襲われた史実は,叙事詩ローランの歌』で知られる。9世紀にバスク人の建てたナバラ王国のうち,南部は 1512年にスペインに併合され,残りの部分はその後も独立を続けたが,89年にフランスに併合された。スペイン側はその後も地方的特権を与えられ,自給経済にとどまったが,第1次カルリスタ戦争でカルロス派に立って敗北したため,1841年その特権を失った。現在も地方色が豊かで,バスク語などが残り,バスク州とともに独立を求める運動も続けられている。面積1万 421km2。人口 51万 6333 (1991推計) 。

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