ナルニア国物語 (ナルニアこくものがたり)
The Chronicle of Narnia
イギリスの批評家・小説家C.S.ルイスが1950年から56年にかけて発表した7編の連作童話。第2次大戦中郊外に疎開していた4人兄弟が衣装だんすの奥を通して未知の国と往来しつつ経験する冒険譚。〈白い魔女〉によって石像と化したナルニアをアスランというライオンが救う第1話《ライオンと魔女》(1950)に始まり,王子を陰謀から救ったり(《カスピアン王子のつのぶえ》1951),水中の都を訪れたり(《朝びらき丸東の海へ》1952),巨人の町に行ったり(《銀のいす》1953)という冒険が語られるが,そのほかにもナルニア国と隣国との関係を扱ったもの(《馬と少年》1954),ナルニア国の成立事情の物語(《魔術師のおい》1955),善悪が天下を分けた終末的な戦いの記録(《さいごの戦い》1956)などを含む。全体を通じて,ルイスはキリスト教的な善悪の対立を寓意的に描いているが,いささかの説教臭もなく,明るいファンタジーと健全な日常性が結びついたみごとな童話となっている。
執筆者:出淵 博
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ナルニア国物語
なるにあこくものがたり
The Narnia Stories
イギリスの作家C・S・ルイスの七巻(1950~56)のファンタジー童話の総称名。第一巻『ライオンと魔女』で、4人の子供が、疎開した田舎(いなか)の屋敷の洋服だんすを通って行った別世界ナルニア国へ、続巻で何度も往復、その興亡史に深くかかわる。『魔術師の甥(おい)』でナルニアの誕生、『最後の戦い』でその消滅が語られる。アスランというキリストに似たライオンがその国を悪から救済したりして、全編にキリスト教色は濃厚だが、物語性に富み、イメージが明快、描写が簡潔で、多くの子供読者に歓迎されている現代児童文学の最高傑作の一つ。最終巻でカーネギー賞受賞。
[吉田新一]
『瀬田貞二訳『ナルニア国ものがたり』全七巻(1966・岩波書店)』
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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世界大百科事典(旧版)内のナルニア国物語の言及
【ルイス】より
…一方,SF的な趣向をもつ《沈黙の惑星より》(1938),《ペレランドラ》(1943。のち《金星への旅》と改題),《あの忌まわしい力》(1945)などの三部作があり,児童読物として《[ナルニア国物語]》(1950‐56)があるが,そこに一貫しているものはキリスト教的ヒューマニズムである。J.R.R.トールキン,C.W.S.ウィリアムズとの友情も有名。…
※「ナルニア国物語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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