モイーズ(読み)もいーず(英語表記)Marcel Moyse

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ
もいーず
Marcel Moyse
(1889―1984)

フランスフルート奏者。フランス東部の山村サンタムール生まれ。パリ音楽院を卒業後、パドルー管弦楽団、パリ音楽院管弦楽団、オペラ・コミック座、コンセール・ストララムの首席奏者を務め、一方独奏室内楽でも活躍、現代フルート奏法を確立した20世紀最高の名手。1932~49年パリ音楽院教授。34年レジオン・ドヌール勲章を受章。49年アメリカに移住し、バーモント州ブラトルボロで没した。フルートの特質を生かした品格の高い演奏スタイルを完成、後進に絶大な影響を及ぼした。わが国にも73年(昭和48)と77年に来朝し、指導にあたった。

[岩井宏之]

『有馬茂夫訳『私のフルート論――マルセル・モイーズ自筆』(1973・村松楽器販売)』『高橋利夫著『モイーズとの対話――おいたちと演奏論』(1978・全音楽譜出版社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モイーズ」の意味・わかりやすい解説

モイーズ
Moyes, Marcel

[生]1889.5.17. サンタムール
[没]1984.11.1. バーモント,ブラトルバラ
フランスのフルート奏者。パリ国立音楽院に学び,同音楽院交響楽団の首席奏者をつとめるかたわら,独奏,室内楽の分野に活躍し,モイーズ三重奏団を組織した。また 1932年母校の教授に就任し,フランス最高のフルート奏者として後輩の指導にあたった。 73年初来日。

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