ヌーシャテル(読み)ぬーしゃてる(英語表記)Neuchâtel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌーシャテル」の意味・わかりやすい解説

ヌーシャテル
ぬーしゃてる
Neuchâtel

スイス西部、ヌーシャテル州の州都。ドイツ語名ノイエンブルクNeuenburg。人口3万1739(2001)。市域ジュラ山脈のショーモン山南東斜面に立地する古い市街から、現在ではヌーシャテル湖岸にまで延び、標高430~580メートルの間にある。集落の発生については不詳であるが、湖岸や城のある丘陵には幾多の遺跡がある。1011年の古文書にノブム・カステルムNovum Castellumの名で出るのが最初で、これが地名起源である。17世紀のなかばに時計工業がおこり、現在はスイス時計工業の一中心地であり、この町の原子時計が全国に正確な時刻を報ずる。製紙、チョコレート製造も有名で、ぶどう酒の生産も多い。フランス語使用地域にあり、ローザンヌと並んで美しいフランス語が話される町として知られ、総合大学(1731年創立のアカデミーが1919年に昇格)、商業学校、音楽院がある。美術・歴史博物館、民族学博物館、考古学博物館、城(12~15世紀のヌーシャテル伯の居城)などは一見の価値がある。鉄道交通のかなめでもある。

 ヌーシャテル州は面積803平方キロメートル、人口16万6500(2001)。人口の大半は工業に従事し、なかでも時計工業で働く者が多い。おもな都市のラ・ショー・ド・フォンやラ・ロクルもジュラ山中の時計工業の町である。

[前島郁雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌーシャテル」の意味・わかりやすい解説

ヌーシャテル
Neuchâtel

スイス西部ヌーシャテル州の州都。ヌーシャテル湖の北岸に位置する。ブドウ取引,時計工業の中心地で,たばこ・食品製造や電機工業,製紙も行われる。 12世紀頃からこの地方行政の中心として栄えたところで,12~17世紀の城 (現庁舎) ,ノートル・ダム聖堂 (13世紀) をはじめ,美術歴史博物館,大学などがあり,スイス時計工業試験所もある。心理学者 J.ピアジェ生地。人口3万 2798 (1991推計) 。

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