ニッカーボッカーズ(その他表記)knickerbockers

改訂新版 世界大百科事典 「ニッカーボッカーズ」の意味・わかりやすい解説

ニッカーボッカーズ
knickerbockers

ニッカーズともいう。裾口に尾錠つきの共布ベルトをつけた,ゆったりした膝下までの長さのズボン名称源はワシントンアービングがディートリヒ・ニッカーボッカーの名前で書いた《ニューヨーク史》(1809)に由来。同書にクルックシャンクが,短いズボン(ブリーチズ)をはいたオランダ移民を描いたことからとされる。19世紀末から1920年代まで男女ともに用いられたが,とくに男性の野外運動服として散歩,ゴルフサイクリングスキーなどに用いられた。上着とベストと共布で作ったニッカー・スーツも広く着用された。多くはノーフォーク・ジャケットと組み合わせた。30年代以降は登山や作業用として残ったが,80年代に入り女性のファッションに取り入れられ,再び注目されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニッカーボッカーズ」の意味・わかりやすい解説

ニッカーボッカーズ
にっかーぼっかーず
knickerbockers

ニッカーズknickersともいう。ゆったりした半ズボンで、膝下(ひざした)にバンドがつきギャザーが入っている。1860年代に男子のスポーツまたはカジュアルウエアとして現れた。チェックやツイードなどの生地(きじ)が用いられ、ノーフォークジャケットなどと組み合わされた。女性も自転車乗りなどに用いた。

 アメリカの作家アービングは、ディードリッヒ・ニッカーボッカーDiedrich Knickerbockerの変名で、『ニューヨーク史』(1809)を書いた。そのとき、挿絵に半ズボンをはいた、ニューヨークに住むオランダ移民を描いたところからオランダ移民をニッカーボッカーといい、半ズボンをニッカーボッカーズとよんだので、この名がある。

[菅生ふさ代]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ニッカーボッカーズ」の意味・わかりやすい解説

ニッカーボッカーズ

ニッカーズとも。膝下でしぼるようにした,ゆったりしたズボン。ゴルフ,スキーなどに着用される。名称はW.アービングがニッカーボッカーの筆名で書いた《ニューヨーク史》(1809年)の挿絵に由来。
→関連項目ノーフォーク・ジャケット

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android