ニンシヤホイ族自治区(読み)ニンシヤホイぞく(英語表記)Ningxia Huizu

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンシヤホイ族自治区」の意味・わかりやすい解説

ニンシヤ(寧夏)ホイ(回)族〔自治区〕
ニンシヤホイぞく
Ningxia Huizu

略称ニン (寧) 。中国,西北地方東部の1級行政区。行政中心地のインチョワン (銀川) 特別市,鉱業都市のシーツォイシャン (石嘴山) 特別市の2特別市と2地区があり,2市 16県が含まれる。長らく遊牧民の支配下にあり,宋代にインチョワンは西夏の国都であった。元で寧夏路がおかれ,明,清で寧夏府となり,1928年からしばらくは寧夏省であった。 58年ホイ族の居住地を中心に自治区が発足した。ホワントー (黄土) 高原の北西端にあり,北部はホワン (黄) 河に沿ったニンシヤ平原である。ニンシヤ平原は年降水量 200mmにすぎないが,土壌が肥沃で,紀元前から灌漑農業が行われてきた。人民共和国成立後は用水路が整備,拡張され,防砂林が造成され,チントン (青銅) 峡に大型ダムが建設されるなどして灌漑面積が増大した。ホワントー高原では黄土層の厚さはところによって 100mに達する。年降水量は 700mmであるが,夏季に集中し,土壌の流失が激しい。植林や段畑の造成,貯水池の建設によって,水土の保持がはかられている。食糧作物はコムギイネ雑穀で,工芸作物としてはゴマ,アサ,アブラナ,ワタ,テンサイがある。ニンシヤ平原はクコ,カンゾウの特産があり,また良質の羊皮を産する。地下資源としては石炭,石油,鉄,塩,リンなどがあり,水力発電,火力発電の発達もめざましい。インチョワン市に鉄鋼,機械,化学肥料などの工業があり,シーツォイシャン市は炭田地帯の新興工業都市である。パオラン (包蘭) 鉄道が北部を通る。住民はホイ族が 30%を占め,ほかに漢族満州族モンゴル族,チベット族,ミヤオ族など。面積6万 km2余。人口 465万 5451 (1990) 。

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