ヌブー(読み)ぬぶー(英語表記)Ginette Neveu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌブー」の意味・わかりやすい解説

ヌブー(Georges Neveux)
ぬぶー
Georges Neveux
(1900―1982)

フランス劇作家ウクライナに生まれ、1927年パリに出て、シュルレアリスムの運動に参加。処女作『ジュリエットまたは夢の鍵(かぎ)』(1930)は不評に終わったが、43年マルセル・エランMarcel Herrand(1897―1953)演出による『テゼの旅』Voyage de Théséeによって名声確立。第二次世界大戦後は秀作『未知なる者への訴え』(1946)を書き、やがて『ザモール』(1953)、『うらおもて』(1955)、『ロンドンの泥棒女』(1960)など、ファンタジー横溢(おういつ)しながらしだいにブールバール劇的色彩を強めていく。外国劇の翻訳も多数ある。

[利光哲夫・伊藤 洋]

『大久保輝臣訳『うらおもて』(『現代フランス戯曲選集2』所収・1960・白水社)』


ヌブー(Ginette Neveu)
ぬぶー
Ginette Neveu
(1919―1949)

フランスの女流バイオリン奏者。パリ生まれ。パリ音楽院卒業後、ジョルジュ・エネスコとカール・フレッシュに師事して腕を磨き、1935年ワルシャワのウィエニアフスキー国際コンクールで優勝して名をあげ、36年ニューヨーク、38年ベルリンでデビュー、圧倒的な人気を得た。第二次世界大戦後、華やかな活動を再開してほどなく、渡米途中の航空機事故で死去。卓越した技巧、激しい情熱、厳格な様式感覚に支えられた演奏は、残されたレコードにわずかにそのおもかげをとどめている。

[岩井宏之]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌブー」の意味・わかりやすい解説

ヌブー
Neveux, Georges

[生]1900.8.25. ポルタバ
[没]1982.8.27. パリ
フランスの劇作家。父はフランス人,母はロシア人。エクサンプロバンス大学に学び,シュルレアリストのグループに参加,詩集悪魔の美しさ』 La beauté du diable (1924) を出版。戯曲『ジュリエット,あるいは夢の鍵』 Juliette ou la clé des songes (30) で劇壇にデビュー,『テセウスの旅』 Le voyage de Thésée (43) のほか,シェークスピアやチェーホフの翻訳などがある。

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