ヌベール(読み)ぬべーる(英語表記)Nevers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌベール」の意味・わかりやすい解説

ヌベール
Nevers

フランス中部,ニエーブル県の県都。マシフサントラル (中央山地) 北部,ロアール川とニエーブル川との合流点に位置する。ローマの属州時代に要塞が築かれ,ノビオドゥヌムと呼ばれた。中世にはニベルネ公領の首都,河港都市として繁栄。 16世紀にイタリアのゴンザーガ家の支配下におかれたが,この時代にイタリア陶芸が移入された。現在は工業の中心で,繊維・化学工業などが盛ん。ファイアンス焼 (陶器一種) を産し,陶芸博物館がある。丘の上にはニベルネ公居館 (15~16世紀,現裁判所) ,サンシールエサントジュリエット大聖堂 (11~16世紀) ,サンテティエンヌ聖堂 (1063~97) などがある。人口4万 3889 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌベール」の意味・わかりやすい解説

ヌベール
ぬべーる
Nevers

フランス中部、ニエーブル県の県都。パリの南南東238キロメートル、ロアール川とニエーブル川の合流点にある。人口4万0932、都市圏人口5万7515(1999)。機械電気、鉄道資材、ゴム既製服などが生産されるほか、伝統的な陶器工業もある。ニベルネ地方の中心都市で、宮殿(15~16世紀)、サン・シール・エ・サント・ジュリエット寺院(11~16世紀。1944年に爆撃されたが修復)、ロマネスク様式サンテティエンヌ教会(11世紀)、クルックス門(14世紀)などがあり、観光の対象となっている。

[大嶽幸彦]

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