改訂新版 世界大百科事典 「ネオシュワゲリナ」の意味・わかりやすい解説
ネオシュワゲリナ
Neoschwagerina
高等有孔虫のフズリナ目ネオシュワゲリナ科の代表属。1903年矢部長克が,シュワゲリナ・クラティキュリフェラSchwagerina craticuliferaを模式種として設立した。約60種が知られ,日本では岐阜県赤坂からはじめて記載された。各地の二畳系石灰岩に産するが北海道からは知られていない。外形は膨れた紡錘形で,壁は厚く,ケリオテーカ構造を示す。通常の隔壁のほかに,旋回軸に平行,およびこれに直交する2方向の副隔壁が発達する。これは殻を強化する戦略の一つと考えられる。ミセリナからカンセリナを経て二畳紀後期にテチス海域に出現。しだいに大きさを増し,のちにヤベイナに進化し,ともに二畳紀後期中に絶滅した。
→フズリナ
執筆者:加藤 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報