ネグリン(読み)ねぐりん(英語表記)Juan Negrín

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネグリン」の意味・わかりやすい解説

ネグリン
ねぐりん
Juan Negrín
(1887―1956)

スペイン政治家。マドリード大学生理学教授から政界入りし、1931年以来社会党代議士。スペイン内戦中の1936~1937年、ラルゴ・カバリェロ内閣の蔵相を務めた。ラルゴ・カバリェロが共産党と対立して退陣すると、1937~1939年首相を務めた。内戦を遂行するため旧ソ連スペイン共産党支持に依存せざるをえず、そのため内外から共産党の傀儡(かいらい)とみなされ不評を買ったが、彼自身は党内で穏健右派であった。内戦に敗北したあとは海外の亡命共和国政権の首相を1945年まで務めた。

[平瀬徹也]

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改訂新版 世界大百科事典 「ネグリン」の意味・わかりやすい解説

ネグリン
Juan Negrín López
生没年:1889-1956

スペインの政治家,生理学者。1918年留学先のドイツから帰国した後,社会党へ入党し,党内穏健派に属した。29年政界に入り,31年国会議員に初当選。内戦中の36年9月大蔵大臣となった。37年5月首相に就任すると,内戦の勝利を第一として共産党と密接な関係を維持し続けた。内戦後はフランスおよびイギリスへ渡り,亡命政権首班として反フランコ運動を展開し,56年パリで死去した。死後,彼が在任中にソ連へ送ったスペイン銀行保有の金に関して,スペイン政府はソ連へその返還を要求したため両国間に論議が起こった。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ネグリン」の解説

ネグリン
Juan Negrín López

1892~1956

スペインの政治家。社会労働党員。1936年共和国蔵相,翌年首相(在任1937~39)。38年5月,13項目の和解綱領を発表スペイン内戦終結の道を模索するが失敗共産党との結びつきを強め,徹底抗戦を唱えた。内戦後メキシコへ亡命,45年まで亡命共和政府大統領。

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世界大百科事典(旧版)内のネグリンの言及

【スペイン内乱】より

…これに対して共和国政府側では,共産党の反アナーキストおよび反トロツキストの動きが顕著になり,5月にはバルセロナで双方が武力衝突をするにいたった。この事件後,首相の座が社会党過激派のラルゴ・カバリェロから親共産党のJ.ネグリンへ移ったために,共和国陣営内での共産党の発言力はしだいに増していった。 ドイツ,イタリア両国の空軍,とりわけイタリア空軍の援助(1937年3月1日のドゥランゴへの爆撃および4月26日のゲルニカ爆撃)により,フランコの軍隊は6月19日に,通称〈鉄のベルト地帯〉と呼ばれる防御線を突破した。…

※「ネグリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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