自身の年金に関する情報をインターネットを通じて確認できるウェブサービス。日本年金機構が2011年(平成23)2月から提供しており、パソコンやスマートフォンを使って24時間いつでもどこからでも確認できる。自身の最新の年金記録を確認できるほか、将来の年金見込額のシミュレーション、電子版「ねんきん定期便」の閲覧、日本年金機構から郵送された各種通知書の確認、各種年金申請書の作成などができる。基礎年金番号をもっている人すべてが利用できるが、1986年(昭和61)4月以前に受給権が発生した老齢年金受給者は対象外である。基礎年金番号、アクセスキー(「ねんきん定期便」に記載された17桁(けた)の数字)などを使って登録すれば利用できる。
2007年に、納付者を特定できない年金記録が5000万件以上に上る「消えた年金」問題が発覚し、公的年金の信頼性が揺らいだ。信頼回復のため、政府は過去の加入記録を確認する「ねんきん特別便」や最新納付状況などを通知する「ねんきん定期便」を送付してきたが、約4割は不明のままである。ねんきんネットの導入は、加入者自らに確認作業をゆだねると同時に、定期便の送付コストなどを削減するねらいもある。
ねんきんネットでは、(1)公的年金(国民年金、厚生年金保険、船員保険)の加入履歴(加入していた制度、加入した年月日、脱退した年月日、加入期間の月数)、(2)国民年金保険料の納付状況、(3)厚生年金保険に加入していたときの会社名、標準報酬月額、標準賞与額、(4)船員保険に加入していたときの船舶所有者名、標準報酬月額、標準賞与額、などの最新状況を確認できる。記録の漏れや誤りを発見した場合、年金事務所に相談し訂正できる場合がある。また氏名、生年月日、性別を入力することで、持ち主不明の年金記録のなかから一致記録を調べることも可能。年金見込額のシミュレーションでは、年金を受け取りながら働いた場合など人生設計にあわせた試算が可能である。
[矢野 武 2017年4月18日]
(金谷俊秀 ライター / 2011年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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