固体のモル熱(モル熱容量)は成分元素の原子熱(原子熱容量)の和に近似的に等しくなるという法則。ドイツのF・E・ノイマンが1831年に、化合物の分子量と比熱の間には、デュロン‐プチの法則と同じような関係があるというノイマンの法則を主張した。またドイツのH・F・M・コップは1864年にこの法則を確認し、さらに拡張してこれには加成性がある(化合物のある性質を表す量の値が、その成分についての量の値の和として表せる場合に、その性質には加成性があるという)ことを示した。これをまとめてノイマン‐コップの法則といっている。この法則は合金の場合にもっともよく適用される。デュロン‐プチの法則が成立する固体元素については、原子熱として6.2cal/degを用い、それ以外の(あるいは常温で気体の)元素には、たとえばO:4.0、H:2.4、F:5.0、Cl:6.5cal/degなどの値を用いると、実測値によく一致するモル熱が得られる。
[戸田源治郎・中原勝儼]
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…29年にケーニヒスベルクの大学で鉱物学と物理学の教授となり,鉱物の比熱の研究や,結晶中や非晶質中での複屈折の研究を行った。31年,コップHermann Franz Moritz Kopp(1817‐92)とともに固体のモル比熱が近似的に成分元素の原子熱(1グラム原子に対する熱容量)の和に等しいというノイマン=コップの法則を見いだした。45年には,レンツの法則に基づいて誘導電流の法則を数学的に定式化し,ノイマンの法則を導出した。…
※「ノイマンコップの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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