ノイマンコップの法則(読み)ノイマンコップノホウソク(英語表記)Neumann-Kopp's law

デジタル大辞泉 「ノイマンコップの法則」の意味・読み・例文・類語

ノイマンコップ‐の‐ほうそく〔‐ハフソク〕【ノイマンコップの法則】

固体モル比熱は、近似的にその固体を構成する成分元素原子熱の和に等しいという法則。ドイツのF=E=ノイマンとH=F=M=コップが見出した。合金の場合に最もよく成り立つ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノイマンコップの法則」の意味・わかりやすい解説

ノイマン‐コップの法則
のいまんこっぷのほうそく
Neumann-Kopp's law

固体のモル熱モル熱容量)は成分元素の原子熱(原子熱容量)の和に近似的に等しくなるという法則。ドイツのF・E・ノイマンが1831年に、化合物分子量と比熱の間には、デュロン‐プチの法則と同じような関係があるというノイマンの法則を主張した。またドイツのH・F・M・コップは1864年にこの法則を確認し、さらに拡張してこれには加成性がある(化合物のある性質を表す量の値が、その成分についての量の値の和として表せる場合に、その性質には加成性があるという)ことを示した。これをまとめてノイマン‐コップの法則といっている。この法則は合金の場合にもっともよく適用される。デュロン‐プチの法則が成立する固体元素については、原子熱として6.2cal/degを用い、それ以外の(あるいは常温気体の)元素には、たとえばO:4.0、H:2.4、F:5.0、Cl:6.5cal/degなどの値を用いると、実測値によく一致するモル熱が得られる。

[戸田源治郎・中原勝儼]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノイマンコップの法則」の意味・わかりやすい解説

ノイマン=コップの法則
ノイマン=コップのほうそく
Neumann-Kopp's law

常温では固体化合物のモル熱容量はその成分元素の原子のモル熱容量の和にほぼ等しいという実験法則。 F.E.ノイマン (1831) と H.P.M.コップ (1864) が見出した。ただし元素のモル熱容量としては,デュロン=プチの法則に従う元素については 26J/K・mol,従わない元素については次の値を用いる。水素,10J/K・mol。炭素,8。ケイ素,16。リン,23。酸素,17。硫黄,23。フッ素,21。塩素,27。これらの法則は分子量の算定に用いられた。

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百科事典マイペディア 「ノイマンコップの法則」の意味・わかりやすい解説

ノイマン=コップの法則【ノイマンコップのほうそく】

固体化合物のモル比熱は近似的にその成分元素の原子熱の和に等しいという経験法則。1831年F.E.ノイマンとH.F.M.コップ〔1817-1892〕が発見
→関連項目ノイマン

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法則の辞典 「ノイマンコップの法則」の解説

ノイマン‐コップの法則【Neumann-Kopp rule】

固体のモル熱容量は,構成元素のモル熱容量の和に等しい.これは液体化合物においてもほぼ同じように当てはまる.

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世界大百科事典(旧版)内のノイマンコップの法則の言及

【ノイマン】より

…29年にケーニヒスベルクの大学で鉱物学と物理学の教授となり,鉱物の比熱の研究や,結晶中や非晶質中での複屈折の研究を行った。31年,コップHermann Franz Moritz Kopp(1817‐92)とともに固体のモル比熱が近似的に成分元素の原子熱(1グラム原子に対する熱容量)の和に等しいというノイマン=コップの法則を見いだした。45年には,レンツの法則に基づいて誘導電流の法則を数学的に定式化し,ノイマンの法則を導出した。…

※「ノイマンコップの法則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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