ノッテボーム(その他表記)Martin Gustav Nottebohm

改訂新版 世界大百科事典 「ノッテボーム」の意味・わかりやすい解説

ノッテボーム
Martin Gustav Nottebohm
生没年:1817-82

ドイツの音楽学者。ベルリンピアノ理論を学び,1840年以降ライプチヒ音楽院でメンデルスゾーンシューマンらに師事。46年ウィーンに移住してピアノと理論の教師となり,ブラームスと親交を結ぶ。ブライトコップ社によるベートーベン作品全集出版(1862-65)に際し,その資料収集を担当し,その成果は《ベートーベン作品目録》(1868)として出版された。彼の最大の功績はベートーベンの難解なスケッチに関する研究で,その体系的研究によって作品の成立年代確定に大きく寄与した。主著に《ベートーベンのスケッチ帳》(1865),《ベートーベニアーナ》(1872。邦訳1951),《ベートーベン研究》I(1873),《1803年のベートーベンのスケッチ帳》(1880),《第2ベートーベニアーナ》(1887。前半のみの邦訳1952),《シューベルト作品目録》(1874)がある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノッテボーム」の意味・わかりやすい解説

ノッテボーム
のってぼーむ
Martin Gustav Nottebohm
(1817―1882)

ドイツの音楽学者、作曲家。ベルリン、ライプツィヒで作曲やピアノを学び、ウィーンで教師をしながら作曲活動をした。メンデルスゾーン、シューマン、ブラームスらと交友関係をもち、学術的な態度で作曲家を見直す方向をとるようになる。とくに自筆譜や文書を丹念に吟味することで作品の様式・年代を探り、主題目録や分析的伝記を書くという方法を確立し、近年類似の作業の基礎をつくった。主著に『ベートーベニアーナ』(1872)、『シューベルト主題目録』(1874)、『モーツァルティアーナ』(1880)がある。

山口 修]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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