シーモノフ(その他表記)Konstantin Mikhailovich Simonov

デジタル大辞泉 「シーモノフ」の意味・読み・例文・類語

シーモノフ(Konstantin Mikhaylovich Simonov)

[1915~1979]ソ連小説家劇作家詩人。常に時代に即した国際的なテーマを取り上げた。小説「夜となく昼となく」、戯曲ロシアの人々」など。

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精選版 日本国語大辞典 「シーモノフ」の意味・読み・例文・類語

シーモノフ

  1. ( Konstantin Mihajlovič Simonov コンスタンチン=ミハイロビチ━ ) ソ連の小説家、劇作家、詩人。解放された人間のヒューマニズムが作品中に美しく融合し、簡潔で力強いスタイルで描かれている。戯曲「ロシアの人々」、小説「昼となく夜となく」など。(一九一五‐七九

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改訂新版 世界大百科事典 「シーモノフ」の意味・わかりやすい解説

シーモノフ
Konstantin Mikhailovich Simonov
生没年:1915-79

ソ連邦の作家。ペトログラード(現,サンクト・ペテルブルグ)に生まれる。ゴーリキー文学大学を卒業後,詩人として出発し,第2次大戦中に書いた戯曲《ロシアの人々》(1942)とスターリングラードの攻防戦を描いた長編《昼となく夜となく》(1944)で文名を確立した。戦後は冷たい戦争を主題とした戯曲《プラハの栗並木の下で》(1946),《ロシアの問題》(1946),ノモンハン事件を描いた長編《戦友》(1952)などを発表する一方,作家同盟書記として党の文芸政策を推進した。スターリン批判後《新世界》誌編集長として最も熱心に雪どけを支持したが,党の批判を受けるや雪どけ派攻撃に転ずる変り身の早さを示した。戯曲《第四の男》(1960),長編《生者死者》(1959),《兵士として生まれたるにあらず》(1964)では第2次大戦初期のスターリンの誤り,そこから生ずる悲劇を赤裸々に描き,内外に異常な反響をよんだが,ここにも時流に敏感な感覚がよみとれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーモノフ」の意味・わかりやすい解説

シーモノフ
Simonov, Konstantin Mikhailovich

[生]1915.11.15. ペトログラード
[没]1979.8.28. モスクワ
ソ連の小説家,劇作家。 1930年代後半,詩人として出発したが,第2次世界大戦に従軍記者として参加,戦場における無名の英雄たちを描いた戯曲『ロシアの人々』 Russkie lyudi (1942) ,スターリングラード攻防戦を描いた小説『夜となく昼となく』 Dni i nochi (43~44) で一躍有名になった。戦後は,米ソ冷戦をテーマにした戯曲『ロシアの問題』 Russkii vopros (46) ,ノモンハン事件を描いた長編『戦友』 Tovarishchi po oruzhiyu (52) などを精力的に発表,また作家同盟書記 (54~59) として党の文芸政策を推進した。スターリン死後は雑誌『新世界』 Novyi Mir編集長として熱心に「雪どけ」を支持。『戦友』の連作として,代表作『生者と死者』 Zhivye i mërtvye (59) ,『兵士として生れたるにあらず』 Soldatami ne rozhdayutsya (64) があり,第2次大戦におけるスターリンのあやまちや,そこから生じた悲劇を赤裸々に描いて反響を呼んだ。

シーモノフ
Simonov, Ruben Nikolaevich

[生]1899.4.1.
[没]1969
ソ連の演出家,俳優。ワフタンゴフ劇場の首席演出家として,A.N.アルブーゾフの『イルクーツク物語』 (1959) などを演出した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーモノフ」の意味・わかりやすい解説

シーモノフ
しーものふ
Константин Михайлович Симонов/Konstantin Mihaylovich Simonob
(1915―1979)

ロシアの小説家、劇作家。ペトログラード(サンクト・ペテルブルグ)生まれ。1938年ゴーリキー文学大学卒業。叙事詩『勝利者』(1937)、『バーベル・チョールヌイ』(1938)、詩集『旅の詩』(1939)などで認められ、第二次世界大戦中は従軍記者として活躍、多くの叙情詩、歌などを書き広範な人々に愛唱され、さらに戯曲『ロシアの人々』(1942)で戦う兵士たちを描き、好評を得た。その文名を高からしめたのは、スターリングラード(ボルゴグラード)攻防戦を語る長編小説『夜となく昼となく』(1944。46年ソ連国家賞受賞)である。戦後は『戦友』(1952)、『生者と死者』(1959)、『兵士として生まれるにあらず』(1964)など、第二次大戦を歴史的に描く壮大な連作長編を書いた。ほかに冷たい戦争を題材とした戯曲『プラハの栗(くり)並木の下で』(1946)など多数の作品がある。つねに今日的主題と取り組んでいる。

[草鹿外吉]

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百科事典マイペディア 「シーモノフ」の意味・わかりやすい解説

シーモノフ

ロシア(ソ連)の作家。ゴーリキー文学大学卒。詩人として出発,第2次大戦中に書いた戯曲《ロシアの人々》で有名になり,スターリングラード戦を描いた長編《夜となく昼となく》(1944年)で国際的にも知られた。政治情勢の変化に敏感に反応し,スターリンの死の前後を通じて終始日の当たる場所を歩んだ。〈雪どけ〉後はスターリン批判色の濃い《生者と死者》(1959年),《兵士として生まれたるにあらず》(1964年)などを発表。

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