ノ口城跡(読み)ひのくちじようあと

日本歴史地名大系 「ノ口城跡」の解説

ノ口城跡
ひのくちじようあと

[現在地名]住田町上有住

坂本さかもと川沿いの恵蘇えぞの、三方が山に囲まれた高台にある。坂本川と樋口ひぐち沢の両谷に取巻かれた山域にあり、西端の高さは約四五メートルで、全面杉林となっている。南面から見ると土壇がよくわかり、上段部はタバコ畑、中腹以下は水田で、近辺には斜めに上下する螺旋状の坂(土壇)があり、登路と思われる。「仙台領古城書上」に城主松田大隅とある。元禄一一年(一六九八)の「気仙郡古記」には、松田大隅は上有住城主千葉内膳の弟で、天正年中(一五七三―九二)病死したというとある。当城は上有住城の出城とも思われる。「仙台領古城書上」には葛西氏滅亡後、千葉内膳の子孫が伊達家の家中に取立てられたとあるが、それは松田大隅ではなかったかとの見方もある(岩手県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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