精選版 日本国語大辞典 「の字」の意味・読み・例文・類語 の‐じ【の字】 〘 造語要素 〙 語の一部、主としてはじめの音に付けて、隠語ふうの名詞をつくる。① ある語をあらわす最初のかなに付けて、その語を遠回しに表現する。はっきり言ってしまっては都合の悪い時や、しゃれた表現として用いる。近世の俗語。[初出の実例]「ほやんれなさけの君さまたんだ、今宵とのじか、底心(そこしん)それそれつづらを急ぐ賤の男(お)が」(出典:浄瑠璃・世継曾我(1683)風流の舞)② 人名の最初のかなにつけて、その人物を呼ぶのに用いる。近世後期、江戸の遊里などではやった表現。[初出の実例]「はの字(ジ)はの字(ジ)、何の咄(はなし)だ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例