日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイティンク」の意味・わかりやすい解説
ハイティンク
はいてぃんく
Bernard Haitink
(1929―2021)
オランダの指揮者。生地アムステルダムの音楽院でバイオリンと指揮を学び、1956年指揮者としてデビュー、1961年名門アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(現、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団)の常任指揮者にヨッフムとともに就任、1962年(昭和37)同楽団とともに初来日。1964年から1988年まで単独で常任指揮者・芸術監督を務めた。この間1967年からロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者、1970年から1979年まで同芸術監督を兼任。1978~1988年グラインドボーン音楽祭音楽監督、1987~2002年コベント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督を務めた。レパートリーは広いが、とりわけチャイコフスキー、ショスタコビチを得意とし、華麗にして重厚な演奏を聴かせた。
[岩井宏之]
『ノーマン・レブレヒト著、河津一哉他訳『巨匠(マエストロ)神話――だれがカラヤンを帝王にしたのか』(1996・文芸春秋)』