日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハイネマン」の意味・わかりやすい解説
ハイネマン(出版社)
はいねまん
Heinemann
文芸出版で知られていたイギリスの大手出版社。ハイネマンWilliam Heinemann(1863―1920)が1890年に設立。同社から作品を刊行した著名作家には、ロバート・L・スティーブンソン、ヘンリー・ジェームズ、H・G・ウェルズ、キップリング、サマセット・モーム、コンラッドなどがいる。また、外国作家の作品や、古代ギリシアやローマの古典翻訳出版分野でも成功した。現在、同社の一般書部門はランダムハウスRandom Houseのインプリント(ブランド名)の一つ(1997年以来)として、教育書部門はピアソン・エデュケーションPearson Educationの一部門(2007年以来)として、姿を変えて活動している。
[川井良介・藤本信彦]
ハイネマン(Gustav Heinemann)
はいねまん
Gustav Heinemann
(1899―1976)
ドイツの政治家。シュウェルム生まれ。弁護士出身で元鉱山支配人。1945年キリスト教民主同盟(CDU)に入党し、1946~1949年エッセン市長、1947~1948年ノルトライン・ウェストファーレン州法相を経たのち、1949年連邦議会議員に選出され、同年第一次アデナウアー内閣に内相として入閣した。1950年西ドイツの再軍備に反対して内相を辞任し、1952年CDUからも脱退した。1957年社会民主党(SPD)に入党し、「大連立」政権(1966~1969)の法相を務め、1969年第3代大統領に選出された(1974年任期満了で辞任)。大統領時代、ブラント東方外交を背後で支え、法相時代にも徴兵忌避を権利として擁護するなど一貫した平和主義者であった。
[深谷満雄]