ハインリヒ7世(読み)ハインリヒななせい(英語表記)Heinrich VII

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハインリヒ7世」の意味・わかりやすい解説

ハインリヒ7世
ハインリヒななせい
Heinrich VII

[生]1274. バレンシア
[没]1313.8.24. シェナ近郊ブオンコンベント
ルクセンブルク家のドイツ王,神聖ローマ皇帝 (在位 1308~13) 。大空位時代ののち,ドイツ皇帝位が各家を転々としていた頃の皇帝。ライン地方の選帝侯が,彼らの自由になる無力な人物を望んで皇帝に選んだのが彼であり,それはまた,強力なハプスブルク家への対抗策でもあった。したがって皇帝としては無力であったが,長男ヨハンをボヘミア王に選出させることに成功 (10) してからは,ルクセンブルク家興隆の道を開いた。この勢力を背景としてイタリア遠征を敢行ダンテが,彼を教皇の不正を押え,万人の主たる人物であると賛美したのは有名である。しかし,すでに皇帝の実権そのものが衰えており,反対勢力も強く,衰退に向うドイツを立直らすことなく夭折した。

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