ハディージャ(その他表記)Khadīja

改訂新版 世界大百科事典 「ハディージャ」の意味・わかりやすい解説

ハディージャ
Khadīja
生没年:?-619

預言者ムハンマド最初の妻。クライシュ族アサド家出身。595年ころ結婚。そのとき,ムハンマドは25歳の貧乏な青年で,彼女は40歳を超えた富裕な商人であった。この結婚以前に,彼女は2人の夫と生別・死別しており,何人かの子どももいた。ムハンマドとの間に3男4女をもうけたが,男児はみな夭折した。四女がファーティマ。ハディージャはムハンマドの教えを受け入れて最初のイスラム教徒となり,終生夫のよき保護者であり,理解者であった。生前は,夫に他の妻をもつことを許さなかった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 後藤

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハディージャ」の意味・わかりやすい解説

ハディージャ
Khadīja bint Khuwaylid

[生]?
[没]619. メッカ
ムハンマドの最初の妻。裕福な寡婦であった彼女は,2度結婚歴があり,彼女の商品を預ってシリア取引に出かけたムハンマドの人柄才能を見込んだ。結婚はムハンマドに,精神的,物質的な安定を与え,彼の預言者としての活動基盤となった。ムハンマドとの間に3男4女をもうけたが,男子はすべて夭逝した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android