日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハトホル」の意味・わかりやすい解説 ハトホルはとほるHathor 古代エジプトの女神。原語ヘト・ヘルは「ヘル(ギリシア名ではホルス)の住まい」の意、つまり天空の女神であり、また太陽を表すホルス神の母として愛と美の女神でもあった。この点でギリシアのアフロディテ、ローマのウェヌスと類似の女神であり、民間で広く尊崇された。この女神は七つの姿をとるといわれるが、しばしば牛の姿で表され、また「住まい」を表す四角形の中に鷹(たか)の姿のホルス神を描いたヒエログリフでも示された。崇拝の中心地はデンデラ、アフロディトポリスであり、テーベのネクロポリス(死者の町)の保護女神でもあった。ギリシア名はアテュルAthur。[矢島文夫] ハトホル 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例