ハトホル(その他表記)Hathor

デジタル大辞泉 「ハトホル」の意味・読み・例文・類語

ハトホル(Hathor)

エジプト神話で、天空と愛の女神牝牛の姿で表される。ギリシャ人によりアフロディテと同一視された。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハトホル」の意味・わかりやすい解説

ハトホル
Hathor

古代エジプトの女神。その名は〈ホルスの家〉の意。メンフィスシカモアのハトホルと呼ばれ,ギリシア人によってアフロディテと同一視された。デンデラにおいて,ホルス,彼らの息子であるイヒIhiとで三柱神をなした。その属性は多彩で,王の養育者,ホルスの母(ときにはその配偶者),黄金の女神,幸福・音楽・踊りの女神,シカモア樹の精,さらには天空の女神として,牝牛,日輪と牛の角を頂く女性の姿などで表される。崇拝の中心地はメンフィス,デンデラのほか,ガバレイン,エドフなど多くあり,シナイ半島のトルコ石鉱山守護神でもあった。新王国以降の民間信仰では,有名な〈七柱のハトホル〉が新生児の運命を定める仙女と同一視された。ハトホルの頭部を使った装飾柱は〈ハトホル柱〉として知られている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハトホル」の意味・わかりやすい解説

ハトホル
はとほる
Hathor

古代エジプトの女神。原語ヘト・ヘルは「ヘル(ギリシア名ではホルス)の住まい」の意、つまり天空の女神であり、また太陽を表すホルス神の母として愛と美の女神でもあった。この点でギリシアのアフロディテ、ローマウェヌスと類似の女神であり、民間で広く尊崇された。この女神は七つの姿をとるといわれるが、しばしば牛の姿で表され、また「住まい」を表す四角形の中に鷹(たか)の姿のホルス神を描いたヒエログリフでも示された。崇拝の中心地はデンデラ、アフロディトポリスであり、テーベネクロポリス死者の町)の保護女神でもあった。ギリシア名はアテュルAthur。

矢島文夫


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百科事典マイペディア 「ハトホル」の意味・わかりやすい解説

ハトホル

古代エジプトの女神。ホルスの母,ときに妻ともされる。世界を生み出した天の雌牛,愛と幸福の女神,鉱山の守護神,養育神など多様な性格をもち,イシスに次いで広く崇拝された。ギリシアではアフロディテと同一視される。しばしば雌牛の頭部をもつ姿で表され,その頭部を用いた装飾柱は〈ハトホル柱〉として知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のハトホルの言及

【フィルム・ノワール】より

…フランス語で〈暗黒映画〉の意だが(本来は〈バラ色rose〉に対する〈黒色(暗い)noir〉の意味で用いられた),アメリカの犯罪映画crime movie,あるいはハードボイルド映画hardboiled‐detective filmをさすアメリカの映画用語である。 1945年にマルセル・デュアメル監修でパリのガリマール社から発売された有名な犯罪推理小説叢書〈セリ・ノワール(暗黒叢書)〉にあやかって,〈ノワール(暗黒)〉の形容がアメリカの犯罪スリラー映画に対するオマージュとして使われるようになった。…

【フィルム・ノワール】より

…フランス語で〈暗黒映画〉の意だが(本来は〈バラ色rose〉に対する〈黒色(暗い)noir〉の意味で用いられた),アメリカの犯罪映画crime movie,あるいはハードボイルド映画hardboiled‐detective filmをさすアメリカの映画用語である。 1945年にマルセル・デュアメル監修でパリのガリマール社から発売された有名な犯罪推理小説叢書〈セリ・ノワール(暗黒叢書)〉にあやかって,〈ノワール(暗黒)〉の形容がアメリカの犯罪スリラー映画に対するオマージュとして使われるようになった。…

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