改訂新版 世界大百科事典 「バイオマイシン」の意味・わかりやすい解説
バイオマイシン
viomycin
1951年フィンレーA.C.Finlayらによって放線菌(Streptomyces属)培養液から得られた水溶性塩基性ペプチド抗生物質。ツベラクチノマイシンBと同一物質で,分子式C25H43N13O10,分子量685.71。紫色の結晶。抗酸菌(結核菌など)の増殖を阻止するが,その他の細菌に対する作用は弱く,二次抗結核薬としてのみ筋肉注射によって用いられる。結核の特効薬ストレプトマイシンとは交差耐性がない。細菌のリボソームに結合しタンパク質合成を阻害する。
→抗生物質
執筆者:鈴木 日出夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報