通常のアニリン色素によって染色されにくいが,媒染剤を用いたり加温したりしていったん染色すると無機酸で処理しても脱色されない細菌の総称。抗酸菌の主要なものは,マイコバクテリウム属の細菌である。これらの細菌は,いずれも長い杆菌で運動性がなく,好気性で培地上の発育は遅く,グラム染色では明りょうかつ確実に染色することが難しい。最初の記載例はA.G.H.ハンセン(1874)によって発見されたライ菌Mycobacterium lepraeで,次いでR.コッホによってヒト型結核菌M.tuberculosis var.hominisが発見された。これらの病原性抗酸菌は,肉芽腫の形成を特徴とする慢性疾患を起こす。病原性抗酸菌にはそのほか,ウシ型およびトリ型結核菌,ネズミライ菌,ヨーネ菌などがある。非病原性抗酸菌は自然界に広く分布しており,とくに土壌中に存在している。大部分の抗酸菌の培養には特殊な培地を必要とする。
→細菌
執筆者:川口 啓明
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