抗酸菌(読み)コウサンキン(英語表記)acid-fast bacteria

デジタル大辞泉 「抗酸菌」の意味・読み・例文・類語

こうさん‐きん〔カウサン‐〕【抗酸菌】

酸に対して抵抗力のある細菌表面に脂質・ろう質をもつため、フェノールフクシンで染色後に酸性アルコールなどで脱色しても、反応を示さない。結核菌癩菌らいきんなど。

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精選版 日本国語大辞典 「抗酸菌」の意味・読み・例文・類語

こうさん‐きんカウサン‥【抗酸菌】

  1. 〘 名詞 〙 表面に蝋様の膜があり、酸に対する抵抗力の強い菌。染色しにくく、染色後は脱色されにくい。結核菌・癩(らい)菌など。抗酸性菌

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改訂新版 世界大百科事典 「抗酸菌」の意味・わかりやすい解説

抗酸菌 (こうさんきん)
acid-fast bacteria

通常のアニリン色素によって染色されにくいが,媒染剤を用いたり加温したりしていったん染色すると無機酸で処理しても脱色されない細菌の総称。抗酸菌の主要なものは,マイコバクテリウム属の細菌である。これらの細菌は,いずれも長い杆菌で運動性がなく,好気性培地上の発育は遅く,グラム染色では明りょうかつ確実に染色することが難しい。最初の記載例はA.G.H.ハンセン(1874)によって発見されたライ菌Mycobacterium lepraeで,次いでR.コッホによってヒト型結核菌M.tuberculosis var.hominisが発見された。これらの病原性抗酸菌は,肉芽腫の形成を特徴とする慢性疾患を起こす。病原性抗酸菌にはそのほか,ウシ型およびトリ型結核菌,ネズミライ菌,ヨーネ菌などがある。非病原性抗酸菌は自然界に広く分布しており,とくに土壌中に存在している。大部分の抗酸菌の培養には特殊な培地を必要とする。
細菌
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百科事典マイペディア 「抗酸菌」の意味・わかりやすい解説

抗酸菌【こうさんきん】

抗酸性菌とも。ある種のアニリン色素で染色すると酸によって脱色されにくい細菌の総称。主としてマイコバクテリウム属であるが,若干の放線菌,ジフテロイド菌も抗酸性を示す。好気性で,独特の脂肪酸,高級アルコール,炭水化物を有する。病原菌としては結核菌癩菌のほかに,結核菌とは異なるがヒトの肺に病変を起こす非定型抗酸菌の一群がある。

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栄養・生化学辞典 「抗酸菌」の解説

抗酸菌

 抗酸細菌ともいう.ろうに富む細胞壁をもつ[Mycobacterium]属の細菌で,細胞壁の性質から染色すると脱色されにくいことから抗酸菌とよばれる.

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