改訂新版 世界大百科事典 「バラシンガジカ」の意味・わかりやすい解説
バラシンガジカ
barasingha
Cervus duvauceli
別名インドヌマジカ,ヌマジカ。偶蹄目シカ科の哺乳類。インドの沼沢地,あるいは水辺近くの森林にすむ大型のシカ。大きな集団をつくって水に入るのを好み,かつてはしばしば数百~数千の個体が沼に身を潜めて集まっている姿が見られたが,現在はみごとな角を得るための狩猟の結果著しく個体数が減っている。夏毛は赤褐色の地に白い斑点があり,冬毛は一様な黄褐色。体長180cm,肩高115cm前後,尾長12~20cm,体重230~283kg。朝おそくと夕方に草木の葉,実などを食べ,昼と夜は体を横たえて反芻(はんすう)する。交尾期はふつう10月。雌は妊娠期間250日で1産1子を生む。寿命は20年以上。オーストラリアに移入されている。
執筆者:今泉 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報