バラフシャ(英語表記)Varakhsha

改訂新版 世界大百科事典 「バラフシャ」の意味・わかりやすい解説

バラフシャ
Varakhsha

中央アジア,ウズベキスタン共和国ブハラ市の西約40kmにある5~11世紀の小都城跡。1937年,47-52年にV.A.シーシキンが発掘。周濠をもつ高さ20m,長辺360mの不整四辺形平面で,北部が崩壊している。城壁を示す高さ2mの起伏が丘の周縁にあり,内部中央に直径75m,高さ2mの小丘がある。発掘されたのは北縁の小高い一角で,列柱ファサードの広間や小室群をもった王宮跡である。一部にクシャーナ時代の地層があるが,確認された建物は5~8世紀にわたって存続し,のち大改修をうけて10~11世紀まで用いられた。王宮の壁画は改修以前に描かれ,アラブ征服後も維持された。赤地に狩猟図や騎象者を襲う怪物を描いた図は,〈赤の間〉と命名された大室にある。一方,大香炉を中に座す祭司,人物などを描いた構成もあるが,仏教の主題はまったくない。改修後に属するスタッコアラバスターの壁面装飾には,植物文,幾何学文のほか,人物像もあり注目される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バラフシャ」の意味・わかりやすい解説

バラフシャ
Varakhsha

ウズベキスタン,ブハラ市の西方約 40kmの砂漠中にある都城址 (主として6~8世紀) 。 10世紀の歴史家ナルシャヒーの著わした『ブハラ史』には,ブハラの支配者ブハール・フダー Bukhār Khudāhの居城があった地として,ファラフシャー Farakhshāの名で言及されている。ソ連の考古学調査団によって発掘され,宮殿の各室で,王と従者の図,狩猟の光景,人間と怪獣の闘争図などが描かれた壁画が発見された。

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