最新 地学事典 「バリアーシステム」の解説
バリアーシステム
barrier system
バリアー島を中心とした堆積システムで,海浜,砂丘,外浜,潮流口,潮汐三角州,潟(ラグーン),潮汐低地,塩水湿地などからなる。バリアー島は,陸と海の間に岸と平行に発達した細長い島である。島の外海(外洋)側にはバリアービーチと呼ばれる海浜があり,島には灌木や低い砂丘がみられる。バリアー島と本土との間の潟の岸近くには塩水性植物の繁茂する塩水湿地や,干潮時に離水する潮汐低地がある。バリアー島とバリアー島との間の水路は潮流口と呼ばれる。上げ潮や下げ潮のたびに潮流口を通して外海と潟の海水が交換されるので,そこに潮流が発生する。外海側から沿岸流によって潮流口に運び込まれた砂は潮流で潟側にもたらされ,そこで水中に三角州状の地形(上げ潮潮汐三角州)をつくる。反対に,下げ潮時には潟側から外海側に砂が運ばれ,そこにも三角州(下げ潮潮汐三角州)がつくられる。バリアー島がよく発達するのは,氷床の消滅による過去2万年間の地殻変動によって海水準が最も高かった地域(海進が起こっている地域)で,しかも,潮(位)差が比較的小さな(2m以下)場所である。バリアー島は米国の大西洋沿岸やヨーロッパの北海沿岸などでよく発達する。
執筆者:増田 富士雄

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

