翻訳|lagoon
沿岸の浅海の一部が,砂州,沿岸州,砂嘴(さし)などにより外海と切り離され,浅い湖沼となったもので,潟(かた),潟湖(かたこ)/(せきこ)とも呼ぶ。海水は1~数ヵ所より湖に流出入し,湖水は汽水となる。海水の出入りする部分(潮口)には三角州状の地形や,湖底水道の発達がしばしばみられる。湖水は汽水性のため,物理的・化学的および生物的に多くの特色が認められる。湖の底層付近は比重の大きい海水が停滞しやすく,湖水の上下の循環が困難なため,底層部に無酸素層が出現し,硫化水素が発生する場合も認められる。魚類は,海水の浸入の多少により淡水性や塩水性のものが成育し,植物は塩分に強いものが生育する。日本では,日本海およびオホーツク海岸に発達し,表面積の大きい湖が多い。サロマ湖,八郎潟,中海,能取(のとろ)湖などがある。釧路の春採(はるとり)湖は硫化水素の含有量の多いことで,また能取湖や厚岸湖はアッケシソウの生育場所として有名である。
執筆者:堀内 清司
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…ポリネシアのサモア,南部クック,ソシエテ,トゥブアイ,マルキーズ,ハワイなどの諸島は,ほとんどすべてこのような火山島からできている。 環礁は中央にラグーン(礁湖)をいだく低平な円環状のサンゴ礁の島で,標高5mを超えることはまれである。サンゴ質のため水と土壌に乏しく,したがって植生も貧困である。…
…(4)海の物理作用によるもの 沿岸流の力で海岸寄りに形成された砂州や砂嘴(さし)によって,海の一部が切り離されて湖沼化したもの。潟湖(かたこ)またはラグーンと呼ばれる。海水が供給されるため比較的塩分が多く,かつ浅い。…
…礁の外縁部では,ミドリイシ類を中心とする造礁サンゴは強い波浪をかわすようにテーブル状を呈して礁斜面を覆い,十分な酸素とプランクトンにより最も活発に礁形成がすすむ。このため礁全体で最も高い堤部をなし,これにより外洋と切り離された礁湖(ラグーン)と呼ばれる内海ができる。サンゴ礁地形の平面形や断面形は,場所ごとの生態的条件,海底地形の条件とともに,それ以上に後述する第四紀の海水準変化と海水温度変化によって決められている。…
※「ラグーン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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