バルカンファイバー(その他表記)vulcanized fiber

デジタル大辞泉 「バルカンファイバー」の意味・読み・例文・類語

バルカン‐ファイバー

vulcanized fiberから》化学パルプや木綿繊維塩化亜鉛の濃い水溶液に浸して膨潤させてから、水洗圧縮・乾燥させた皮革状のもの。運搬用具・スポーツ用具・絶縁材料などに使用

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改訂新版 世界大百科事典 「バルカンファイバー」の意味・わかりやすい解説

バルカンファイバー
vulcanized fiber

バルカナイズドファイバーともいう。加工紙の一種で,組織が緻密(ちみつ)で固く,電気絶縁性,耐衝撃性が高いので,電気絶縁材料,運搬用容器またはスポーツ用具の部品に用いられる。原料には精製度の高い化学パルプまたは木綿繊維を用い,シートを作ってから濃塩化亜鉛溶液につける。繊維は強く膨潤して膠化する。それを水洗,圧縮,乾燥して作るが,膨潤剤の除去に時間がかかるので,2mmより厚物の場合には薄いシートを合成樹脂接着剤で何枚もはり合わせて作ることが多い。膨潤剤を除去するとシートはつぶれ,そのうえ圧縮するので,バルカンファイバーの密度は普通の紙の2倍近い1.1~1.4g/cm3にもなる。用途に応じて,あらかじめ顔料を加えて着色する。
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百科事典マイペディア 「バルカンファイバー」の意味・わかりやすい解説

バルカンファイバー

バルカナイズドファイバーとも。塩化亜鉛で処理して作った硬質耐水性の紙または板紙原紙を濃塩化亜鉛溶液に浸し,表面を膠化(こうか)したのち,水洗し乾燥するか,膠化したものを数枚重ねて水洗し,ぬれているうちに圧着させて乾燥する。電気絶縁材料,箱,かばん,スポーツ用具の部品などに加工。

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世界大百科事典(旧版)内のバルカンファイバーの言及

【バルカン】より


【呼称とその範囲】
 現在われわれがバルカン半島と呼んでいる半島は,古来ギリシア人の半島,ビザンティン半島,イリュリア人の半島などと呼ばれ,第1次世界大戦前には,〈ヨーロッパ・トルコ(オスマン・トルコのヨーロッパ部分)〉として一般に知られていた。バルカンという名称は,1808年にドイツの地理学者ツォイネJohann August Zeune(1778‐1843)によって初めて命名されたといわれているが,近代地理学の創始者A.vonフンボルトの学説にしたがい,できるだけ政治色をもたない地名設定の方法が科学的であると考えたツォイネは,現在のスターラ・プラニナ山脈(バルカン山脈)が現地住民のあいだでバルカンと呼ばれていたところから,そのように命名したのである。…

※「バルカンファイバー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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