パイユート族 (パイユートぞく)
Paiute
北アメリカのグレート・ベースン文化領域,現在のアメリカ合衆国ユタ,ネバダ,アリゾナ諸州の保留地に居住するアメリカ・インディアン。言語学的にはユト・アズテク系の言語を話す。伝統的には乾燥した砂漠的環境の下で遊動生活を送り,禾本科植物の種子や松の実の採集,シカ,ノウサギなどの狩猟など,季節的に入手しうる食糧資源を最大限に利用する生業活動が特徴であった。社会集団の単位も小さく,乾季(夏)には数家族から成る小バンドを,種子採集期の秋から冬にかけてはやや大きなバンドを形成していた。
このような生業形態をJ.D.ジェニングズは〈デザート文化伝統〉と命名し,約1万年前から歴史時代まで継続していたと考えた。そして,デザート文化伝統を基盤に新大陸特有の農耕が成立したとみなし,パイユート,ショショニなどのグレート・ベースン地方の諸族をこの文化の最近の担い手と解釈している。
執筆者:小谷 凱宣
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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パイユート族
パイユートぞく
Paiute
アメリカ西部,ネバダ州の大部分と,ユタ,オレゴン,カリフォルニア,アイダホの諸州にまたがる大盆地に居住し,ショショニ語群の高原語派の諸言語を話すアメリカインディアンの一民族。人口約 4000と推定され,主として指定居留地とその周辺に住んでいる。南部パイユート族はユート・チェメウェビ語を話し,真のパイユート族とも呼ばれているが,北部パイユート族はカリフォルニア州ではモノ族,ネバダ州ではパビオツォ族とも呼ばれる。どんぐり,マツの実,トチの実などの採集と小規模の狩猟で生活し,衣服やテントは野獣の皮を用いてつくっていた。バンドや地域組織のような単位はなく,古い慣習もシャーマニズムを除いてほとんど残っていない。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内のパイユート族の言及
【アメリカ・インディアン】より
…一般に樹木が乏しい草原であるが,山岳にはマツ類の灌木が生育している。この地域の原住民はショショニ族,ユート族,[パイユート族]などである。彼らの基本的な生業の基盤は,野生のイネ科植物の種子の採集と小型動物の狩猟であった。…
【血】より
…病気を治す手段として瀉血(放血)をすることは世界的に広く分布している。北アメリカのパイユート族は,病気の大部分は妖術の仕業か,精霊の攻撃によるとしているが,若干の病気は血の悪化が原因だと考えている。老人は血が古くなって固くなってくるので,放血が必要だとされる。…
【デザート文化】より
…約1万年前から,地域によってはヨーロッパ人進出時まで継続した。グレート・ベースン地方のショショニ族,パイユート族などの祖先が担い手であったとされる。遺跡は洞窟や岩陰が多い。…
※「パイユート族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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