通信メッセージをデジタル化し、それを所定の長さに分割し、おのおのに送信先と発信元などの情報をつけた信号列をパケット(小包)とよぶ。このようなパケットを送信先にしたがって振り分けることにより通信の交換を行う方式をいう。パケット交換を用いる通信方式は1960年代初期にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)、ランド研究所(RAND)やイギリスの国立物理研究所(NPL)で独立に開発された。通常の電話などの通信では、メッセージを通す接続経路をあらかじめ定め、その経路上に通信メッセージがのせられるのに対し、パケット交換による通信では、交換機に届いたパケットを見て次に渡すべき交換機が指定される方式をとり、一つの回線上にさまざまなメッセージのパケットが相乗りすることになる。コンピュータ・ネットワークのようなデジタル通信ではそのメリットが最大限に発揮される。インターネットの前身となるARPANET(アーパネット)などで利用され、現在のコンピュータ・ネットワークでは必須の技術になっている。音声、画像、さらに動画さえもが現在ではデジタル化されて送信されるため、これらもまたパケット交換網にのり、それによって従来の接続相手を固定して行う方式よりも経済的に通信が行われるようになってきている。やや音質が落ちるものの、インターネット電話のほうが既成の電話よりも格安になる最大の理由はパケット交換にある。今後は伝送情報の品質をよくするいわゆるQoS(Quality of Service)の向上が急速に進むであろう。そうなると通信や双方向通信の低価格化と高機能化がますます進展することとなる。
[田村浩一郎]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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