ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パスカリス」の意味・わかりやすい解説
パスカリス
Paschalis
[没]692. イタリア
教皇セルギウス1世(在位 687~701)とテオドルス(在位 687.9.~12.)の対立教皇(在位 687)。687年9月,教皇コノン(在位 686~687)が死去すると,ローマ市民は助祭長(→助祭)パスカリスと主席司祭テオドルスの両者を教皇として選出した。両者とも教皇位を譲らず,高位聖職者たちは問題解決のため,ローマ軍の支援を受けて新たにセルギウス1世を教皇に選出した。パスカリスは最初の選挙でラベンナ総督を買収したが,2度目の選挙ではセルギウス1世の一派が総督を買収していた。セルギウス1世は 687年12月に登位し,テオドルスは退位したが,退位を拒否したパスカリスは 692年の死去まで修道院に幽閉された。
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