パピヨン(読み)ぱぴよん(英語表記)papillon

翻訳|papillon

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パピヨン」の意味・わかりやすい解説

パピヨン
ぱぴよん
papillon

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、別名バタフライスパニエルbutterfly spanielともよばれる小形愛玩(あいがん)犬。フランス原産で、大きく左右に張り出すようについた耳が、あたかもチョウ(フランス語でpapillon)のはねを連想させるところから名づけられた。体格はほっそりと優美で、光沢のある絹糸状の長毛を有し、耳、尾、四肢などに飾り毛がある。耳は立っているものと垂れ耳のものがある。足先は兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)状に長い。歩様は軽快で、快活で利口である。毛色白地に黒もしくは褐色の斑(はん)があり、トライカラーもみられる。斑の入りぐあいは、頭部では口吻(こうふん)部が白く、また鼻すじから前額にかけても、顔の左右に平均して分布した斑が中間に形づくるブレーズとよばれる白い部分がある。体高25~28センチメートル、体重5.4キログラム程度である。

増井光子


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パピヨン」の意味・わかりやすい解説

パピヨン
papillon

イヌの1品種。祖先ルネサンス時代のイタリアで流行した小型の愛玩犬で,その後フランスにおいて現在の形に改良された。チョウ (蝶) の羽を広げた形にそっくりの大きな立耳をもつことから,フランス語でチョウを意味するパピヨンの名がついている。姿は優雅であるが性質は活発で親しみやすく,しかも賢い。比較的長生きで,理想的な愛玩犬といえるが,子供の相手には向かない。体高 20~28cm,体重 4.1~4.5kg。頭部は丸く,吻はややとがる。耳は大きく,立耳で,内側に長い飾り毛がある。四肢は細い。尾は長く,飾り毛がふさふさしており背の高い位置に巻く。被毛は長く絹のようにしなやか。毛色は白色地に,顔と背面に黒か茶,もしくは茶と黒の斑が分布する。

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