日本大百科全書(ニッポニカ) 「パピヨン」の意味・わかりやすい解説
パピヨン
ぱぴよん
papillon
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、別名バタフライスパニエルbutterfly spanielともよばれる小形愛玩(あいがん)犬。フランス原産で、大きく左右に張り出すようについた耳が、あたかもチョウ(フランス語でpapillon)のはねを連想させるところから名づけられた。体格はほっそりと優美で、光沢のある絹糸状の長毛を有し、耳、尾、四肢などに飾り毛がある。耳は立っているものと垂れ耳のものがある。足先は兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)状に長い。歩様は軽快で、快活で利口である。毛色は白地に黒もしくは褐色の斑(はん)があり、トライカラーもみられる。斑の入りぐあいは、頭部では口吻(こうふん)部が白く、また鼻すじから前額にかけても、顔の左右に平均して分布した斑が中間に形づくるブレーズとよばれる白い部分がある。体高25~28センチメートル、体重5.4キログラム程度である。
[増井光子]