精選版 日本国語大辞典 「万年筆」の意味・読み・例文・類語
まんねん‐ひつ【万年筆】
(2)「万年筆」の読みとしては、明治末期まではマンネンフデがひろく行なわれていたが、時期が下るにつれ、しだいにマンネンヒツが優勢となった。
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筆記具の一種。軸内に蓄えたインキを毛細管現象によって引き出し、ペン先を通して書写する仕組みになっている。
[野沢松男]
構造的には、1809年イギリスのフレデリック・B・フォルシュが、軸後部のバルブを開いて軸内に貯蔵したインキをペン部に送るバルブ式のものを発明したのが最初である。同年、同じイギリスのジョセフ・ブラマーが、軸を指で押してインキを出すものを考案し、これをファウンテンペンfountain penと名づけた。現在のような毛細管作用を用いてインキを導き出す原理は、1884年アメリカの保険外交員L・E・ウォーターマンの考案によるもので、この原理がその後も受け継がれている。
日本では1895年(明治28)に東京の丸善(株)が、少量だがウォーターマンのものを店頭で発売したのが最初で、本格的な輸入は1902年(明治35)以降のことである。やがて大阪の福井商店なども、ウォーターマンをはじめペリカン、ドラゴンなどの銘柄を扱うようになり、明治末期から大正時代にかけては舶来万年筆の全盛時代となった。またそのころから国産万年筆が数社でつくられるようになり、最初は外国から輸入したペン先を国内で組み立てて販売していたのが、大正時代になって純国産のものができるようになった。「万年筆」という名のおこりには諸説があってさだかではないが、明治末期に福井商店で輸入していた、軸に金めっきのペン先を取り付けた筆記具を「NY万年ペン」とよんでいたことから、同種の筆記具にこの名がつけられたとする説や、当時の丸善の輸入担当者の名前をとって、万吉筆がのちに万年筆となったとする説などがある。しかし現在では、末長く使える筆という意味で内田魯庵(ろあん)がつけたというのが通説となっている。
[野沢松男]
種類は多種多様であるが、形態別に分けると次の三つになる。〔1〕スタンダードタイプ 軸部が長く、鞘(さや)部の短い基本的なタイプ。〔2〕ショートタイプ ミニタイプともいい、軸部が短くて鞘部が長い。携帯時には短寸で、筆記時には長寸になるという便利性がある。〔3〕キャップレス キャップがなく、ノックや回転によってペン先を出没させるシステムのもの。このほか機構(インキ補給方法)では次のようなものがある。〔1〕カートリッジ式 スペア式ともいい、あらかじめカートリッジ内に入れておいたインキを交換するだけでインキ補給のできるもの。〔2〕中押し式 吸入式で、インキチューブの外側に合金属のカバーをつけ、その中央部や尾部を操作することによりインキ補給をするタイプ。〔3〕その他 現在は品種が少ないが、ポンプ式、てこ式、中芯(しん)式、繰り出し式など。
[野沢松男]
インキ中の酸に侵されないため14金ペンが一般的だが、最近では優れた耐酸合金も現れ、ステンレス材のものや、それに金めっきしたものも多く出回っている。なおペン先の先端には耐摩耗合金のイリジウムが装着されている。インキの流出がスムーズで弾力性があり、書き味の滑らかなものが良品である。
[野沢松男]
『梅田晴夫著『万年筆』(1979・青土社)』▽『梅田晴夫著、大森忠写真『万年筆』(平凡社カラー新書)』
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