パルスジェット

百科事典マイペディア 「パルスジェット」の意味・わかりやすい解説

パルスジェット

ジェットエンジン一種空気入口後方に,逆止弁をもつ燃焼室を設け,高温の燃焼ガスをジェットパイプで噴出させる。飛行速度で流入した空気は逆止弁を開いて燃焼室に入り,ここで噴霧されている燃料と混合されて燃焼する。このとき逆止弁を閉じると燃焼ガスはノズルから後方に噴出し推力を生じる。燃焼は,他の形式のジェットエンジンでは一定圧力下で連続的に行われるのに反し,断続的である。第2次大戦におけるドイツV1号が装備。今日ではほとんど用いられない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パルスジェット」の意味・わかりやすい解説

パルスジェット
pulse jet

航空機用推進装置の一種。パイプ型の燃焼器の入口に振動弁を取り付け,間欠的に燃料を吹き込んで燃焼させる。パイプの長さ,振動弁の振動数を適切に調整すると,燃焼ガスの慣性によって膨張圧縮が周期的に繰り返され,比較的低速でもある程度の熱効率をもつ推進装置ができる。パルスジェットは,熱効率が低く (燃料消費量が大きい) ,振動や騒音が大きいので,人の乗る航空機には使えないが,構造が非常に簡単なので,無人ミサイル標的機などの推進装置には使用できる。第2次世界大戦中ドイツがV-1号の推進装置に使用した。

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世界大百科事典(旧版)内のパルスジェットの言及

【ジェット】より

…一方向に集中した細い流体の流れ。細い孔や管から連続的に流体を噴出させて作るが,間欠的なものをとくにパルスジェットpulse jetという。流速が速ければ運動量の流れが大きく,その反作用を利用して推進力を得るのがジェットエンジンである。…

※「パルスジェット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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